財産一覧表を作成する方法
財産一覧表を作成しよう
財産一覧表は、自分の財産の棚卸しをする際に作成するものです。財産一覧表を作成する目的は、財産の内容と金額を把握することです。
財産一覧表には、被相続人のプラスの財産とマイナスの財産をもれなく記載します。複数の財産があるケースでは、細かく情報を載せないと特定できないおそれがあります。不動産であれば地番や家屋番号、預貯金であれば金融機関名、支店名、口座番号などを具体的に示し、特定しやすくしましょう。
財産一覧表の作成方法については、以下のようなコツがあります。
- もれなく記載します
- 財産の『問い合わせ先』がわかるように記載します
財産種別ごとに記載ポイントを次にまとめます。
預貯金
被相続人の預貯金を調べる方法については、以下のような方法があります。
- 金融機関の預貯金の確認方法
- 預貯金の調査については、第一に、被相続人がどの金融機関を利用していたかを特定することが必要です。
- 弁護士会照会
- 弁護士会照会で、被相続人名義の預貯金や株の口座等の取引履歴を調べることができます。
共同相続人は、他の共同相続人全員の同意なくして、金融機関に対し、被相続人が有していた預貯金の取引履歴の交付を請求することができます。一般的な金融機関では、10年間を取引履歴の保管期間としており、10年分であれば預貯金の取引履歴を請求することができると言えます。
詳しくは、対象となる金融機関に問い合わせてから行うことをおすすめします。一般的には、以下のような必要書類を持参して、金融機関の窓口で取引履歴の発行依頼を行います。
- 被相続人が死亡したことが確認できる戸籍謄本など
- 申請者が相続人であることがわかる戸籍謄本など
- 申請者の印鑑証明書
- 手数料
以上が被相続人の預貯金を調べる方法についてです。
有価証券(上場株式、投資信託など)
被相続人が所有している有価証券を調べる方法については、以下のような方法があります。
- 家の中や貸金庫の中に株券はないか
- 証券会社からの郵便物はないか
- 通帳の記載内容に証券会社との取引の履歴はないか
- メールに株式に関する連絡の履歴はないか
証券会社を通じて購入している有価証券の場合、取引の明細や残高の明細が送られてきますので、その明細から所有している有価証券を確定します。
証券会社を通じず購入している有価証券について、配当がある場合は、通帳の起債や配当の計算明細書から確認します。配当がなく、証券会社を通じず購入した有価証券は、相続開始後に見つけるのが難しいため、被相続人の生前に確認しておくことをおすすめします。
生命保険、損害保険
被相続人が加入している生命保険や損害保険を調べる方法については、以下のような方法があります。
- 家に保険証券や保険料の領収書、通知書等はないか。
- 金融機関の通帳に保険料の引き落としの記載はないか。
- メールに保険関連の通知の履歴はないか。
生命保険協会に問い合わせることで、被相続人が加入している生命保険の情報を調査することができます。具体的な調査方法や必要な書類については、生命保険協会のホームページ等をご参照ください。
車、バイク
被相続人が所有している車やバイクを調べる方法については、以下のような方法が考えられます。
- 車庫証明を取得する。
- 車やバイクの車検証を探す。
- 市町村の役場や警察署で情報を確認する。
その他
被相続人の所有物や債務に関して、特定の手続きや法律に基づく情報収集方法がない場合、家の中の書類やPC、スマートフォンの中の情報を頼りに調査を進めることになります。
まとめ
以上、被相続人の財産や債務を調べるための基本的な方法についての説明でした。相続の際の手続きは複雑でありますので、必要に応じて専門家のアドバイスを受けることも考慮しましょう。